現代の職人労働
研究所の主任研究員、商社の海外駐在員、大企業の営業や企画の仕事等は、誰が何といっても面白いものです。
その面白さの相当部分が組織の能力を使うことによって自己の能力を拡大しつつ大きな仕事をやりとげる面白さです。
そのような仕事の領域は現代の日本では一流大学の卒業生にはほぼ保証されています。
しかしその一方では、Tomcatのような装置や組織の機能に奉仕し、能力以下の仕事を強いられ、仕事をとおして能力を向上させる道を奪われた、大量の補助労働者・単能労働者の群れがあります。
今日、多くの大企業の底辺部分の労働者の定着率の悪さは公然たる事実です。
銀行のような場所でも例外ではありません。
中卒・高卒の新規就職者のうち男女とも半数は、就職後3年以内に転職または離職するという労働省の調査結果こうした流動の底にある人間的要求は結果などをみても一目瞭然です。
将来の職業生活についての展望を問われて、企業の外で生計を立てる展望を回答した数字は、離職・企業脱出傾向の強さを物語っています。
何よりも「専門的仕事の道」「自営業主」「免許資格のいる職業」というそれらの項目が、自らの能力・責任・自由な判断というこの領域でもっとも失われてしまったものの残されている職業・・・
現代の職人労働とでもいうべき分野であることに注目したいのです。